僕、早川 雄平《はやかわ ゆうへい》は今年の春、この佐々木野高校に入学し、晴れて高校生になったばかりの15歳。
今週は新入生にとっては重要な行事である部活動体験週間。
他のクラスメイトの殆どは入る部活動をほぼ決めているようです。
僕は高校に入ったら部活動に入部すると決めていたので、何の部活に入るか現在進行形で迷っています。



「うーん…何にしようかな…?」



入学した時に配られた部活動のカタログに目を通してみると、サッカー部や卓球部といったメジャーな物から物理部やアニメ研究会などのマイナーな部活動までありました。



「やっぱり僕は体力が無いから文化部にしようっと……。」



まずは運動部を除外。
残った文化部の中で何にしようかなと見ていると、とある部活の欄が目に入りました。



「……ん?」



カタログの最後のページの隅っこ。
まるで敬遠されているかのように地味な部活に僕は妙に惹かれました。



「……『恋愛同好会』……?」



奇妙な部活動に僕は何故か興味を持ちました。



「……行ってみようかな……。」



そして僕は自分の興味の赴くままに席を立ち、その恋愛同好会を見学すべく、教室から出ました。