「じゃ、じゃあ行こう!蛯原くん」
少し顔が赤い蛯原くんの手を取り、歩き出す。
リードする側にならなきゃ。
「お前がリードしてくれんの?」
「へ?リード?」
あたしは首をかしげる。
と同時に、掴んでいた手を逆に掴まれてクイッと後ろに引き寄せられた。
「俺がリードしたい」
ドッキーン!!
ほんの少しだけ照れ臭そうに、目を逸らして言う蛯原くん。
な、何それ……。
カッコよすぎなんですけどーっ!!
キュッと手を握られた。
那智の時は水族館だったけど、あたしの時は遊園地に行く前だ!
「行くぞ」
「うんっ!」

