……中学3年生の夏が近づく春の季節のこと。





前もこんな風に満員電車だった。





今と違うことといえば、その時あたしはまだ蛯原くんと知り合いじゃなくて。





その電車には1人で乗っていたんだ。





家に帰ったら、お母さんが作ってくれるお菓子を食べようと思って、楽しみにしてた。





緩む頬を抑えながらルンルン気分で乗っていたのに。





次の瞬間、そんな気持ちは一気に吹き飛んだ。





だって、急になんか、お尻の方に違和感を感じたから。





スカート越しに嫌な感じを覚えて、あたしはその人にバレないように後ろを振り向いた。