わっ、わわーっ!!
な、なんか抱きしめられてるみたいな感じに!
「本当ごめん、マジで動けない」
すぐ耳元で聞こえるその声にあたしの顔は真っ赤。
「へ、へへ平気だよ!だから、寄りかかっていいですよっ」
パニックになりそうな思考をなんとか戻して、そう答える。
……全然平気じゃないじゃん、あたし。
ギュウギュウに押される。
この時間帯に電車に乗ってラッキーなのかアンラッキーなのか。
そういえば、蛯原くんと電車で帰るの初めてだったっけ。
あ、1回だけあったんだ。
今思えば、それが蛯原くんと初めて会った日だった。