「?」




「なんでもない、気にすんな」





なぜか気まずそうにあたしから目を逸らす。





え、何?





ますます気になるんですが……!





「沙綾おはよ」





肩にぽん、と手を置かれる。





「智菜おはよー!」





あたしは友達の智菜に抱きつく。





近藤智菜。





なんでも話せる中学からの友達。





「まーた、朝からイチャイチャしてんの?」





からかうように聞いてくる智菜。





そんな智菜にあたしはぶんぶんと首を振る。





「そんなんじゃないよ!あたしもう、蛯原くんのことは諦めたしっ!」