帰り道、蛯原くんは人通りも少ないのに、ずっとあたしと手を繋いでくれていた。
その優しい温もりに、何だか照れてしまう。
このままずっと、繋ぐことができたらいいのに。
なーんて、ね。
おっと、ここまでだった。
これ以上一緒に帰ると、住んでる場所がバレちゃう。
「あ、遥くん……ここで大丈夫です。お迎え来るから」
「そうなのか?送んなくていいの?」
あたしは大きく頷いて、笑顔を見せる。
「はい、さっきもう着くってメールが来たので……今日はありがとうございましたっ」
頭を下げる。
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