そう言って蛯原くんが指差したのは、午後からあるイルカショーだった。 「イルカショーですか……すっごく見たいです!」 「そう言うと思った!じゃ、それまで他のところ見てその後、飯でも食おう」 「うんっ」 あたしは笑顔で蛯原くんについて行った。 ……つもりだった。 「あ、今度はあっちのブース行きませんか?遥くんの好きそうなお魚あります、よ……?」 あ、あれ? ついさっきまでそこにいた蛯原くんが、いない。 「あの、遥くん……どこですか?」 近くを見ても、蛯原くんがいない。