それ以外にも、見たことのない魚が目の前を泳いでいく。
「うわ、人増えてきたな……」
目の前の魚に夢中になっていると、横からそんな声が聞こえた。
「ホントだ、すごく増えましたね」
周りを見れば、家族やカップルなど、たくさんの人で賑わっている。
「那智さん、魚に夢中になりすぎてはぐれないようにな?」
少しイタズラ気味に笑う蛯原くん。
「だ、大丈夫だよ!……多分ですけど」
「そう?ならいいけど」
あたしは大きく頷いて、蛯原くんにパンフレットを見せる。
「遥くんは、どこ見たいですか?」
「俺はどこでもいいよ、あ、那智さんこれ見たいんじゃない?」

