それにしても、あたしのもとに走ってきてくれるなんて。 なーんて、あたしのためじゃなくて、那智のためだけどね。 ……何でこんなに比べてしまうんだろう。 比べて胸が痛むくらいなら比べたくないのに。 勝手に比べてしまう。 もう、意味分かんないや。 「ありがとう。じゃあ、行こう」 「はい!」 元気良く返事をする。 「どこ行く?」 あ、そうだった。 「遥くん、沙綾からコレ貰ってきました」 あたしは、水族館のチケットを差し出した。