「3、2、1!」 え、もう!? 後ろからいきなり抱きしめられたままのあたしは、慌てたままライトアップを迎える。 「わぁ……キレー」 色とりどりのライトが一斉に光り出し、私は見惚れてしまう。 「沙綾」 耳元であたしの名前を呼ぶ声が聞こえる。 「なーに?遥くん」 振り向くと、頬に手を添えられた。 そして優しく触れる唇。 「っ、他の人に見えちゃうよ」 赤くなりながらもそう言うと、大丈夫、というように口元に人差し指を添えられた。