「あーもう、調子狂う……」





クシャクシャっと頭をかき、沙綾の頬を軽く摘まむ。




「んん〜〜」





そんな風に唸るけど、お構いなしに続ける。





「はぁ……戻るか」




摘まむのをやめ、立ち上がろうとした時、不意に手を掴まれた。





「は……」





寝てるくせになんで、掴むんだよ。




やんわり離そうとしても、力が強くて、なかなか離れない。





「みんなが戻ってくるまでこのままでいるしかねぇか」





2人が帰ってくるまでの数十分間、ずっと手を握られたままで。







ちょっとくらい、なんて思いながら沙綾の額に軽くキスをしたのだった。