「じゃあ、俺が連れて行きますよ」
起こすのはかわいそうだし。
『え?それは悪いわよ〜。沙綾きっと重いし……』
見る限り、重くなさそうだけど……。
「大丈夫ですよ。俺も男ですし、女の子1人くらい持てますから」
『頼もしいわね〜。じゃあ、お願いしてもいいかしら』
重かったから落としていいから、なんて冗談を言われる。
「分かりました、でも、なるべく落とさないようにしますね」
俺もクスッと笑ってそう答えた。
『運ぶの疲れちゃったら、その部屋で休んでもいいからね』
「ありがとうございます」
電話を切ると、今までずっと流れていたテレビを消す。

