「それは、言ったろ。遠回しに気づかないかなって思ってワザと那智さんを呼んだんだよ」
「それは聞いたもん。なんであたしに言ってくれなかったのかな、なんて」
「なんでって……途中なのに、言えるわけないだろ。それに、颯さんと約束してたし」
お見合いの日までは、何が何でも那智さんを好きでいる姿勢を貫く。
そう、颯さんと約束したんだ。
俺はゴロン、と仰向けに寝転がる。
「そう、だったんだ」
「でも、どっちにも告白はしちゃダメだって言われてたけどな。それじゃ楽しくないだろ?」
約束破ったからだろうか。
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