「は、はる……っ」 これまた小さな声だけど、呼び捨てで呼ばれる。 「……くん」 「……は?」 恥ずかしそうだし、今はそのままでいいか。 「……まぁいいや、今は。その呼び方でも」 「ふふっ、ありがとう」 安堵したように笑う沙綾を見て、俺はふとさっきのことを思い出した。 「そういえば、さっきの、ヤバイって何?」 いきなりその話題を出すと、沙綾は目をパチクリとさせる。 「俺が風呂から上がってきた時のやつ。なんか奇声あげてただろ」 「ななっ、なんでもないよ!」 焦ったように首を振られる。