何それ、可愛すぎかよ。 「俺のことも、下の名前で呼んでよ。遥って」 俺はそう提案をした。 「で、でも、この前呼んじゃダメって、」 「あれは、沙綾が嘘ついてたから」 まあ、最初から知ってたんだけど。 「ごめんなさい、嘘ついちゃって」 「いいよもう。気にしてないし」 そう言って俺はほら、という感じで微笑む。 「遥、くん」 呟くような声で名前を呼ばれた。 「……それじゃダメ。くん付け無しで」 沙綾は恥ずかしいのか、自分の服をキュッと握りしめる。