「あー!やばい!ヤバすぎるっ……!!」




風呂から上がると、そんな声が聞こえた。





見てみると、ベッドの枕を抱きしめながらゴロゴロと動き回る楠木がいた。




何してんだよ、アイツ。





「君を奪いに来た、って!」





「……」





マジで、何言ってんの。





多分今のは、俺がお見合い前に言った英語を訳したやつだろう。





実際にそう言ったし。





まぁ、特に意味はないけど。





「これこそヤバい……なんかカッコよすぎるんですけどっっ!」








「……何が?」





近づいても気づかない楠木に、俺はそう声をかける。





どんな反応をするだろうか。