だけど、あたしからの告白なんて微塵も思わない蛯原くんは何も知らないだろう。
「……あっそ。それで?」
それで、あ、そうだ!
「今週の、土曜日空いてますか?」
「今週の土曜……空いてるけど」
わ、よかった!
「その日、那智とデートお願いします!」
「デート……?まぁ、いいけど」
「いいんですか?ありがとう!那智に言っておくね」
やった!と心の中でガッツポーズ。
蛯原くんとデートだ!
飛んで喜びたいところを抑えて、微笑んだ。
でも、抑えきれずあたしはその日の帰り道、ルンルン気分で歩いていたのだった。

