小さなことなんか気にせず、今……遥くんと過ごしてるこの時間を大事にしようって、何度も思う。
クイッと引っ張られて、あたしも遥くんと同じように仰向けになる。
だけど、すぐに抱きしめられた。
「俺が優しくすんのは、沙綾くらいだよ」
好きな奴には、優しくしたいでしょ、なんて言っちゃって。
さらにあたしの好きって気持ちを膨らませる。
「逆に、あたし以外に優しくしてるのは、ちょっとヤダ」
言った後に気づいた。
これは、ヤキモチだ。
恥ずかしいことを言ってしまった。
「ご、ごめん、今のナシで……」
「それは、無理かな」
