言ってくれたら、よかったのに。
「なんでって……計画の途中なのに、言えるわけないだろ。それに、颯さんと約束してたし」
お見合いの日までは、何が何でも那智さんを好きでいる姿勢を貫くって。
そう言った遥くんはゴロン、とベッドに仰向けに寝転がった。
「そう、だったんだ」
遥くんは遥くんで、自分のやることをやってたんだ。
「でも、どっちにも告白はしちゃダメだって言われてたけどな」
それじゃ楽しくないだろ?なんて平然と言うもんだから、もう驚くことしかできない。
「まぁ、そのおかげで沙綾を泣かしちゃったんだけど」
あたしの髪の毛先に優しく触れながら言う。

