「うつむいたままでいいから、枕だけ取れば?それじゃ、苦しいだろ」 確かに、苦しくなってきた。 あたしは少しだけ枕を顔から離す。 「……」 「……」 2人の間に静寂が訪れる。 「楠木」 沈黙を破ったのは蛯原くんだった。 蛯原くんが、目線を合わせるように屈む。 ちょ、顔見える! まだ赤い顔を隠すため、あたしが顔を背けようとすると、頬に手を添えられた。 そして、うつむくあたしを下から覗き込んできた。