蛯原くんが、お風呂に入ってしまって1人になったあたしは、ボーッとしていた。
何しよう……テレビでもつける?
そう思ってテレビをつけるけど、流れるのは特に興味のないものばかり。
テレビをつけたまま、あたしはゴロンとベッドに寝転がる。
そういえば……このお見合いは元から仕組まれていたことだった、のかぁ。
『俺のお見合い相手、楠木なの?』
お見合いを持ちかけようとした日、呼ばれたと思えば、そう言われた。
あたしがどうしてか聞くと、昨日渡されたと言って写真を差し出して。
『ごめんなさい!それ間違いなんです!』
あたしがそう言って封筒を差し出すと、蛯原くんは怪訝そうにしながらも、受け取ってくれた。

