「……っくしゅん!」





寒さのせいか、くしゃみが出てしまった。




ヤバっ、蛯原くんが起きちゃう……!





「ん……?」





あたしのくしゃみで、目を覚ましてしまった蛯原くん。





「……楠木?」





「あっ、うん!上がったから、どうぞって……」





起こしちゃってごめんなさい!と心の中で謝る。





「ん、分かった。てか楠木、くしゃみした?」





ドキッ。





「う、うん。ごめんね、せっかく寝てたのに起こしちゃって……」





「それは良いんだけど……ちゃんと髪拭いたほうが良いよ。タオル貸して」





手を差し出す蛯原くん。