サラサラで手触りの良い蛯原くんの髪を、起きてしまわないように、そーっと撫でる。
「お疲れ様です、蛯原くん」
ポソッとつぶやく。
あ、そうだ。
「どっかにブランケットとか無いかな……」
辺りを見回し、近くに置いてあったのを見つけたあたしは、ブランケットを起こさないように蛯原くんに掛ける。
掛けたのはいいけど、お風呂はいいのかな?
お風呂に入って、疲れを取ったほうがいいと思うけど……。
起こしちゃって大丈夫かな?
そんなことを考えていると、あたしはブルッと震えた。
あ、髪の毛まだちゃんと拭いて無いや。

