「あのっ……蛯原さん、じゃなくて、遥くんって呼んでもいいですか……?」
遥くん、そう呼んでみたいのだ。
「いいですよ、じゃあ、俺も……下の名前で呼ばさせてもらいます」
や、やった!!
「遥くん……」
「ん?」
「あ、いえっ、呼んでみただけ……」
頬が緩みそうになるのを抑える。
蛯原くん、あたし以外には優しいんだなぁ……。
まぁ、最初だからかもしれないけど。
でも、それでいいの。
……木南那智は蛯原くんとずっと一緒に居れるわけじゃない。
こういう短い時間でしか話すことができない。
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