まぁ、聞いてなかったあたしが悪いんだけど……。
「沙綾、これでいいわね?」
「え……は、はい」
いきなり聞かれて、何のことかも分からないまま返事をしてしまった。
「じゃあ今はこの辺にして、あとはお食事を楽しみましょう」
お母さんがそう言って、微笑んだ。
「あの、楠木さん、私たち4人は隣のお部屋で食べませんか?」
「2人で話して、仲を深めてほしいですし……」
蛯原くんのお父さんとお母さんが気を利かすように言う。
ていうか、蛯原くんのお父さん……この前と全然違う人なんですが。
この間のは誰だったの!?

