「早くしろよ?じゃないと遥くん来ちゃうぞ?」
「お兄ちゃん……うん、分かってる」
けど、本当にいいのかな?
ああもう、始まってしまったのに今さら後悔しても。
暗い顔をするあたしを見て、何かを察したらしいお兄ちゃんが、頭を軽く撫でてくる。
お兄ちゃんは今日、あたしと一緒にお見合いに同席してくれる。
本当は、お父さんじゃなきゃダメなんだけど、忙しいから代理で、ってことになってる。
そんなんでいいのかな?
「遥くん好きなんだろ?だったら頑張れ」
コクリと頷いて、あたしは準備を始めた。
この計画は、絶対にバレちゃいけない。

