2日後には準備が整ったため、万全の状態でお見合いの日を迎えることができた。 あたしは、椅子に座ってボーッとする。 「あとは……蛯原くんを待つだけかぁ……」 お、そうだった。 「変装……しないとなぁ」 気が重い。 かりそめの姿で蛯原くんに会うなんて。 早くも騙してしまう、ということに罪悪感を感じる。 あたしが決めたことなのにね。 「沙綾」 「なにー?」 ネクタイを締めながらお兄ちゃんがあたしに話しかける。