「だから……遠慮なく、言ってください。嫌いだって……その方が蛯原くんも後味悪くないですよね?」
あたしは軽く笑いかける。
ハキハキと告げる言葉の裏は、もう耐えられない気持ちでいっぱいだ。
嫌わないで。
本当はずっと心の中でそう思ってる。
だけど、嫌われなきゃ。
この気持ちは矛盾してる。
でも……嫌われないと、自分の思いを断ち切れないんだ。
なんてワガママなんだろう。
「嫌いって言われたら、楠木はどうするの」
そこで、いきなり蛯原くんが口を開いた。
嫌いって言われたら……。
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