あたしは意を決して口を開いた。





「……遥くん、ごめんなさい!このお見合い、無かったことにしてほしいんです!」





あたしはストレートに言葉を伝えた。





いきなりその言葉を告げられた蛯原くんは当然の如くポカンとしている。





反応は予想通りだ。





「それって、どういう意味?」





イマイチ分かっていないのか、それとも分かっているけど理由が聞きたいのか。







「えっと……このお見合い、間違いだったんです!」





あたしはバッと頭を下げた。





「何かの手違いで、私と遥くんがお見合いする、ということになってしまって」





これは、苦し紛れの言い訳だ。