係員からお弁当を渡してもらったあたしは、蛯原くんの元へ戻るため急ぎ足になる。
ここの遊園地の係員は、お弁当などを預かってくれるサービスもあるらしいんだ。
それって、持ち歩かなくて済むから結構助かるよね。
「楠木、早かったな」
「うん、急いで取ってきたから……」
ベンチにまた座り、お弁当を広げる。
今日のは結構自信作。
「はい、蛯原くん!口に合うか分からないけど……」
「すげぇな、楠木。料理できるんだな」
少し驚き気味に言う蛯原くん。
「うん、って言っても、ほとんど手伝ってもらっちゃったけどね」
普段あんまりやらないもんだから色々と手間取ってしまった。

