「あんまこっち見んなよ」
少し気恥ずかしそうに言う蛯原くん。
そんな彼にまた“好き”と言う気持ちが募ってしまう。
もう、蛯原くんはアレだ。
自分を好きにさせる天才だ。
「ふふ、ふふふっ」
「……何。気持ち悪いんだけど」
気持ち悪い!?
「ご、ごめん。でも、蛯原くんのことが好きだから……」
ニヤニヤしてしまう、なんて言えない。
「そんだけ元気だったらもう大丈夫だろ……腹減ったから昼飯にしよう」
お昼!
「あたし!お弁当持ってきたよ!ちょっとここで待っててっ」
あたしはそう言うと素早く立ち上がり、蛯原くんを置いて近くにいる係員に声を掛けたのだった。

