やむ無く、仕事終わりの足で店に向かってみた。


日も暮れ、明かりは点いていなく、小さな明かりで微かに貼り紙が見えた。


『諸事情により、本日臨時休業致します。ご不便ご迷惑お掛け致します。なお、注文商品に関しましてはご連絡差し上げたお客様のみの対応とさせていただきます』


「…ああ……」


入り口の扉の前で途方に暮れてしまった。


明日は営業できるのだろうか。


「お客様?」


声に振り向くと、この前の松嶋さんの彼女さんが立っていた。


「いえあの…」


「あなた……?」


一瞬で表情が険しくなる。


「どうかしました?」


彼女さんに向いていた私の背後から声がして振り向く。


入り口奥、スタッフ用の扉から顔を出した松嶋さん。


「…あ」


「あっ、あのっ、大丈夫なんですか?!心配で……」


「登哉さんっ!!そういえばこの人ですよ!!事務所のパソコン触ってた部外者の人!!」


いきなり私の腕を掴んで声を荒げた。


「……はっ??…なにを」