翌週土曜。
隣の市の書店の販売促進活動のために、電車移動していた私。


本来なら社用車で向かうけれど、全部出払っていたのだ。


おまけに同行予定の先輩が、急遽別行動になってしまった。


どうせ今日は余程のことがなければ、ここだけ行ったら直帰だし。まあいいか、と。


最寄りの駅につくと、週末ということもあって人でごった返していた。


人混みは苦手なんだよな、と思いながら流されるまま電車に押し込まれるように乗り込んだ。


ローヒールのパンプスにタイトスカートのスーツ姿で、鞄は前にしっかり抱えて。


久々の満員電車だ。


もちろん席など空いていなく、息が詰まりそうになりながら中ほどで立っていた。


ふと、何かが足に触れた。