西田と会ったのは
中学生になってから


イスに座ってぼーっと窓を見てる
西田を見て
私の猫センサーがピンと来たんだ


その時、とっさに話しかけちゃったのが
最初の会話


「お前、猫みたい!」

「猫じゃねーよ!」


初対面とは思えない会話だけど
この時すでに恋してたのかもしれない

低くて優しい西田の声が
もっと聞きたいと思ったし

「猫じゃねーよ!」って
いいながら笑う西田の笑顔
もっと見ていたいと思った



でも、同じクラスに
小学校から片想いしてる人がいた


その事が嬉しくて
西田の事が好きだなんて
考えた事もなかったんだ




私の好きだった人はバスケ部の
ちょーイケメンエース。リョウタ。

スポマンでカッコよくて
勉強はちょっと…ね?って感じ
だったけど。
みんなの人気者でムードメーカーで…


絶対叶うはずないって
わかってたけど

私とは似合わなすぎるって
わかってたけど



好きで好きでしょうがなかった



そんな時、私の友達と付き合ってる
って知って


頭の中、カラっぽになった

脳みそ全部溶けきったんじゃないか
ってぐらいショックで
学校なんて楽しくもなかった


それからは
恋なんてテキトーに
真剣ならないでおこうとと思った。