國比呂少年怪異譚・第二夜

Aが咄嗟に上から飛び降り、俺とBに倒れ込んできた。

それでハッとした俺達は、すぐにAを起こし、一気に入り口へ走った。

後ろは見れない。

前だけを見据え、ひたすら必死で走った。

全力で走れば30分もかからないだろうに、何時間も走ったような気分だった。

入り口が見えてくると、何やら人影も見えた。

おい、まさか……3人とも急停止し、息を呑んで人影を確認した。

誰だかわからないが、何人かが集まってる。

『あいつ』じゃない。

そう確認できた途端に再び走り出し、その人達の中に飛び込んだ。

「おい!出てきたぞ!」

「まさか……本当にあの柵の先に行ってたのか!」

「おーい!急いで奥さんに知らせろ!」

集まっていた人達はざわざわとした様子で、俺達に駆け寄ってきた。

何て話しかけられたか、すぐにはわからないぐらい、3人とも頭が真っ白で放心状態だった。