國比呂少年怪異譚・第二夜

正直、そんなんもうどうでもいいとさえ思えるほど嫌な空気だったが、Aが放った言葉で更に嫌な空気が増した。

「もしかしてさぁ、そいつ……ずっとここにいたんじゃねえか?この柵、こっから見える分だけでも出入口みたいなのはないしさ、それで近付けなかったんじゃ……」

「んな訳ねえだろ。俺達が音の動きに気付いた場所ですら、こっからじゃもう見えねえんだぞ?それなのに、入った時点から俺達の様子がわかる訳ねえだろ」

普通に考えれば、Bの言葉が正しかった。

禁止区域と森の入り口はかなり離れてる。

時間にして1時間ほどと書いたが、俺達だってチンタラ歩いてた訳じゃないし、距離にしたらそれなりの数字にはなる。

だが、現実のものじゃないかも……という考えが過ってしまった事で、Aの言葉を頭では否定できなかった。

柵を見てから絶対やばいと感じ始めていた俺とAを尻目に、Bだけが俄然強気だった。