國比呂少年怪異譚・第二夜

あの声が聞こえ、背後の窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。

『アレ』が下から手を伸ばして、窓ガラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。

声は言う。

「こん、ばん、は」

ゾクリと、背筋に悪寒が走る。

「ねぇ、お顔、見せて?」

振り向いたら駄目だ。

窓から覗くその顔を見たら、僕は正気でいられなくなる。

手にしたお札を、力いっぱい握り締めて、必死に抗おうとする。

でも、それはどういった力なのか。

抗おう、抗おうとするほど、僕は誘惑に勝てず。

振り向いた。

「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…」

…美しい顏の女性が、窓の隙間からこちらを覗き込んでいる。

2階の、この部屋を。