國比呂少年怪異譚・第二夜

男と喋ってたBの声。

破壊音が止む前に部屋の中から聞こえた声とは、全然違う声だったらしい。

……その後、ケイちゃんが目を覚まして動けるようになった。

あの時、部屋の中から聞こえた声について、『みえるひと』ケイちゃんの見解によると。

『融合してた人霊のうちの1体が、消滅の危機に瀕して自我を取り戻した』だそう。

あの部屋、事前に男が使える伝もコネも知識も全部使って、頼めるだけの人に頼んで、何重にも霊的に閉鎖してたんだとか。

その檻の中で、兄さんに憑いてる『モノ』と、Bに憑いてた『モノ』とが互いに在るだけで互いを削り合う至近距離に置かれる事になり、形容し難い鬩ぎ合いが繰り広げられたのだとか。

……助けてくれ、開けてくれ、と叫んでいたのは、逃げ場のない檻の中で、兄さんの『モノ』と戦いながら二度目の死の恐怖を味わっていた誰かの霊だったと。