キミだけに届けたいもの








「おそ」


……あ、!




「優風くん!」




いた。

ちゃんと、一人で。








「遅いって言ってんの」



「あ!ご、ごめん、なさい!昼休み中ずっと、優風くんのこと、探して、たから…」


少し息を切らしながら言ったことで

途切れ途切れになる。


「遅くても、……迎えに行くって」


「え、…………ああ!そ、そーだよね」


迎えに、行く、か。


なんか、嬉しい。


「早く食べよ?良兎ちゃんのせいで食べる時間少ないからさ」


「うん!食べる!」


「なんで嬉しそうなの?」


「え?いや、ご、ご飯食べれるから、かな?」


「ホントにご飯好きだね」


「生きものは食べなきゃいけないからね!」


「そーだねー」



なんか、最後棒読みだった気が……


ま、いっか!



「ねえ、優風くん。いっつも購買のパンだね?」


「うん」


「食事のバランスとか、大丈夫なの?」


「家では作ってるし」


「そーだったね。」

「……」



「ん?どーしたの?」


急に黙り込んだ優風くん。



「バランス、ね……」


「え?バランス?」


「良兎ちゃん、お弁当美味しい?」


「え?ああ、うん!美味しいよ!」


「誰が作ってるの?」



「お母さんだよ?」


「へぇ~、……懐かし………」


「え??」


「お母さんのお弁当ね。」





な、何だ!?



優風くんが、


おかしい!?!?