キミだけに届けたいもの








__昼休み


「優風くん、遅い」



お昼になったというのに

一向に来る気配がない。


「おかしいね、今日は休みじゃないでしょ?」


「うん。休みじゃなないよ。だって2時限目の休み時間にお話したもん」


そう。

何故か休み時間に優風くんはやって来て、

私はあの日のことで恥ずかしかったけど

優風くんは全然気にしてないようだったし……

「ん~、行ってみたら?結構人気あんでしょ?女の子たちに囲まれてるかもしれないしね」

「えっ!?」


か、囲まれて

色んな女の子にチヤホヤ……


変な想像をして青ざめた私を見て悠香が察したように言った。


「早く行きな。一緒にお弁当食べれなくなるよ?」


「え!?い、行ってくる!!」


そ、それは


何かやだよ!


私は全速力で優風くんがいる一学年のA組まで走った。



「あ、あの、優、原代くん、いらっしゃいますか、ね?」


近くにいた生徒に聞く。


「ああ、最近金澤さんといるのを見かけるので、おそらく金澤さんと一緒かと……」



か、金澤さん!?


どなたですか!?


「あの、金澤さんって?」


「えっ、ああ、金澤藍那(かなざわ あいな)さんですよ。一学年の。」


「あ、その子、何組かわかりますか?」


「原代くんと同じA組ですよ。」


同じクラスか。


「わ、わかりました。ありがとうございます…」



二人で、一緒にいるの?


ど、何処に?