勝手な想像で暗くなっていると、
「良兎、どーした?」
悠香が聞いてきた。
「あ、ううん。何でもないよ」
悠香、本当に隠してるのかな……
私の勘違いかもしれない、よね?
「良兎、やっぱりあんたには言う」
「え?」
「私ね、彼氏できた」
え、
えええ!?
「ほ、本当!?!?」
「うそはつかないよ」
「お、おめでとう!!!」
そう言って悠香に思いきり抱きついた。
「ちょ、ちょっと良兎、苦しい」
「あ、ごめん!でも、本当におめでとう!」
「ありがと」
おめでとうだよ本当に!
今までも彼氏できたことは何回かあった悠香だけど、
うまくいったことがなかった。
でも、今回付き合う人はちゃんと悠香とうまくいってほしい。
「その相手、いつ、どこで知り合ったの!?」
「ん~、一週間前くらいに、バイトで」
「そーだったの!?で、どんな人?歳は!?」
「そんないっぺんに聞かないでよ、ちゃんとこたえるから」
興奮している私は質問攻めになってしまう。
「あ、ごめんごめん。」
「うん、大丈夫。まあ、歳から言うと、同じ歳で、この学校の人」
「ええ!学校一緒!?じゃあこの学年に!」
「そうだよ。で、結構モテてるらしいね」
「すごーい!流石悠香!かっこいい人と付き合えるの、羨ましいな~」
「あんたも、いづれはね」
「うん、そうだね~」
私も彼氏、か。
そうだなぁ、あんまり考えたことなかったな~
彼氏って、好きな人だよね
好きな人、好きな……
“らう、ちゃん”
ゆ、うくん……
……って!
いやいや!
違う違う!!
私は優風くんのことは好きじゃないよ!
そう、好きじゃ、ない…
好きじゃない!
