ま、まさか
「優風くん、そこで寝るの？」
「……」
「ごめん、おやすみなさい」
「そーだけどなに？」
え、何で怒ってるの！？
「そ、そこ、寒くない？」
「寒いけどなに？」
……！！
サムソウデスネ、ホントウニ。
でも私、命令されたからな……
でも、優風くんのためにも、
「こ、ここ、お入り、クダサイ…」
「はぁ？」
い、いや、嫌ですよね！
ごめんなさい本当に毎度毎度ごめんなさい！
「そ、それか、やはり私がそちらで寝ます」
「……それはいい」
「で、でも優風くん…」
「そんなに一緒に寝てほしいなら、しょうがないねぇ」
はっ！！
まさかまた！
「な、何でそんなに嬉しそうに！」
「ええ？良兎ちゃんが一緒に寝ないと寝れないとか言うからさぁ～」
「そんなことは言ってないよ！！」
「俺にはそう聞こえたけどなぁ～」
「…で、でも、やっぱりそこ寒そうだし、」
「うん。思ったより寒い」
「このベット広いね！ああ！もう一人入れるくらいヒロイネ！」
「そんなに一緒に寝たいか」
「でも本当に広いよ！」
「知ってる。これ俺のベットだし」
「あ、そうでしたね。」
「じゃあ遠慮なく」
優風くんは私が入っている逆側の空いた所に入って来た。
「あ、う、うん。」
な、なんか、
思ったより近い……
私は優風くんの方を見ないように身体を逆側に向ける。
「なんでそっち見てんの？」
うっ、
「……」
寝た振り……
コショコショッ
「うわあっ！ちょっと！何してんの！？」
「寝てないし」
あっ！
寝た振り失敗……
「ね、寝そうだったのになあ～」
「うそつくの下手」
「う、……」
「こっち向いてよ」
「な、何で！？」
