なに?
どんな意味?
「……もう、ホントにいいから。寝る」
寝室へと足を運ぶ優風くん。
「じゃあ、優風くん。今じゃなくていいよ。」
「……え?」
「今じゃなくていいから、私にちゃんと話してよ、いつか」
私が言うと、目を見開いて、切ない顔をした。
「……無理。良兎ちゃん、寝よ」
「今じゃなくていいの!いつか、」
「良兎ちゃんのためだから。絶対言いたくない」
……え?
私のため?
優風くん、ますますわかんないよ……
私のために言わないって、どういうこと?
「私のためって?」
「だから、それが言えることじゃないから」
「……わかった。優風くん、おやすみなさい」
これ以上聞いても全く意味がないと判断した私は
優風くんにおやすみなさいと言って寝室へ行った。
「……ごめん」
「っ、いいよ。言えることじゃないんだもんね…、しつこくて、ごめんなさい」
そう言ってベットに入ろうとすると、
優風くんが後ろから抱きついてきた。
えっ!?
ちょっと、
「ゆ、優風くん!?」
「ほんと、ごめん。」
……なんで謝るの?
謝るんだったら言ってよ……
「私も、なるべくこの話には触れないようにするから、もう、大丈夫だよ…」
本当に、
大丈夫だと思うしかない。
でも私、
優風くんのことばっかりせめてる、よね?
聞くだけ聞いて、
本当に優風くんにとっては全く意味のないことだ。
そっか、
私、優風くんをせめてた。
私に抱きついたままの優風くん。
前にきている優風くんの手にそっと私の手をのせる。
「優風くん、」
「…な、に?」
「おやすみなさい」
「それだけ?」
「う、うん?」
「……おやすみ」
それだけ言うと私から離れて
床に敷かれた一枚の布切れのうえに寝転がった。
