キミだけに届けたいもの





「また顔赤い。赤面じょーずだね、良兎ちゃん」

「赤面じょーずってなに!?」

「ん?赤面しやすいねってこと」

しょうがないでしょ!?

恥ずかしいこと言うの優風くんだし!


「部屋は一緒。寝んのは俺床でいい」

「え、優風くん!ここ優風くんの家だよね?」

「そーだけど」

「なのに…」

「主様のベットをお借りして主様が床だなんて私たえられない、って?」

私が言いたかったことをズバッと言い当てた優風くん。

「え、うん。そうだよ…」

「俺が言ってんの。だから従って?」

「……いいの?」

「俺の命令」

「わ、わかりました」


なんか、命令なんて言って私をベットにしてくれたけど、

やっぱり、優しい。

命令が優しいなんて、思ったことなかった。

あるわけないよね。


「ねえ、優風くん」

「ん?」

「私のこと、知らないのに、なんで友達に…」

「その話やめて」

……え、

「なんで?いつもそうなるの?」

「話したところで何になんの」

見たこともない、優風くんの冷たい目。

私、ずっと隠されたまま友達、以上なんかにならなくちゃいけないの?

話したところで……

なんで、友達以上になりたいのか、

どうして、入学してきてすぐだったのか。

だって、入学して一週間経ってなかったんだよ?

同級生はまだしも、先輩を知る時間なんてほとんどないのに。

だとしたら、

やっぱり知ってる人だって、なるよ。

なのに優風くんは知らない、

その話やめてって、

言った。


知らない、はうそ。

隠してるの?だったらそれは何故?


……こたえて、くれる日はくるの?



また優風くんがわからなくなる。


「……隠す意味なんて、ないじゃん。」

そう言って優風くんの瞳をみつめる。

「……っ、あるから、言わない」


意味が、あるの?