キミだけに届けたいもの





そう言って私の手を引いた優風くん。

「あ、あの」

「良兎ちゃんはベット」

え?

「俺ここ」

そう言って床を指さす。

「……え、はい!?」

「一緒って、部屋ね?」

……

「……騙したの?」

「はぁ?騙してなんかないよ、一緒の部屋に寝るって言ったの」

「さっき部屋って言ってない!」

「あれ?そうだった?」

楽しそうに笑いながら聞く優風くん。

もう、私どうしようかと思って

恥ずかしさ上昇中だったっていうのに……!


「優風くん、酷い……」

「ふっ、かわいすぎ」

な、なにっ!?

私の発言と噛み合ってないよ!

「私、今酷いって言ったんだよ!?」

「だから、怒ってる感じかわいい」

な、なにこの人!

初めてだよ、怒っててかわいいなんて言われたの!

「い、意味わかんないよ!」

「なんか今日はやけに反抗してくるね?良兎ちゃん」

ニヤッと笑いながら言ったこの悪魔。

「だ、だって、優風くんが言うこと、すること全部変だもん!」

「それが反抗してる理由?」

「そう、です」

「じゃあ、言うことまともになればいいの?」

「そうだよ!まともな発言、行動、してください、です……」

「わかった。俺今以上にまともになるから」

ええ、優風くんが、自分でそんなことを……

信じられなくて口をポカンと開けたまま閉じることができない私。


「本当に?優風くんが、まともに……」

「やっぱベットで一緒に寝よー?」


……


嘘でしょこの人。

全然まともになってないよ!

「まともじゃないじゃん!」

「ええ?俺なりのまともだよ」

「なにそれ!」

「俺冗談で言ってないからね?」

「え、」

本気で、一緒に寝たいの?

「ダメ?」

ぐさっ、

ハートの矢が刺さりました。

かわいすぎはあなたよ。

「……だめ」

それでも、一緒に寝るなんて

私にはできませんよ……

「はぁ、ま、いっか」

え、?

優風くんが、諦めた?

「え、優風くん?」

「いいや、一緒に寝なくて。確かに、ハードル高すぎたかもしれないし」

「は、ハードル?」

「良兎ちゃんじゃ恥ずかしすぎて死んじゃうってこと」

な、なに!?

私に変なことをしようとして……!?

考えるだけで顔が熱くなるのがわかった。