キミだけに届けたいもの







もう、これ以上


優風くんのわからないって思うこと


増やしたくないよ……



「……頭、乾かします」


一人で呟き、ドライヤーを借りて自分の髪を乾かした。




__15分後


優風くんはすぐにあがってきた。


濡れた髪、いつもよりかっこよくて

色っぽい。


「……はぁ」


優風くんがため息をついてハッと我に返った。

「ど、どうしたの?」

「いや、……もう寝る?」

「あ、はい」

「寝んの?」

「いや、どちらでも……」

「じゃあちょっと、」



そう言うと私と距離を縮めてきた。

「な、なんでしょう!?」

縮めた距離をとろうととっさに優風くんから離れた。

が、

「ちょっと、言うこと聞いてほしい」

なんてことを言われた。


今更!?

私聞いてたよね?

「……なん、ですか?」

「一緒に寝る」

「えっ!!」

「なに?そんなにうれしい?」

はあ!?

違いますよ!

「そんなんじゃないよ!」

「は?うれしくないの?」


うぅ、怖い。

うれしいって、言わなきゃダメな感じ?

「……うれしい」

「そう?じゃあ一緒に寝よーね良兎ちゃん」

……やだよ

普通に考えておかしいよ!

男の子と女の子が、その、一緒に寝るなんて……


でも……

もう、っていうか、いつでも

私、優風くんに逆らうことなんてできないし。

本当に、一緒に寝るの?


「え、ちょっと、」

「いいから」