キミだけに届けたいもの






心の中でそう呟き、バスルームに入る。


服を全部脱ぎ、浴室に入ると、

「わあ、アパートなのに意外と広い」

一人暮らしには充分だね。


「毎日ここに優風くんが……」


……って!

私!今の完全なる変態発言じゃん!


いや、でも考えなくも、ないよね?

だって、

あの優風くんだよ?

それに、

知り合ってそんなに経ってない男の子の家に急にお泊まりすることになって、

ねえ……

今考えると

やっぱりお泊まりとか、はいっ!?!?って感じだよね。

いきなり過ぎる。

普通に女の子の家にも泊まったことない私がね……

どーすればいいかいまいちわからない。

けど、優風くんは普通にご飯つくってくれたり、お風呂先に入れてくれたり……

リードしてくれてる、感じがして

安心はできてるかな?

……なんか、落ち着くし


そんなことを考えながら頭と身体を洗う。


湯船に浸かって温まる。

「ああ~気持ちいい」

疲れがとれるなぁ

充分身体が温まったところで、湯船から出る。

浴室から出ると、さっきまでなかったはずのバスタオルが置いてあった。


え?私置いてないよね?

じゃあ、

優風くんしかいないよね?

……準備してくれたんだ。

やっぱり、普通に優しい?

そんなことを思いながらそのバスタオルで身体を拭く。


着替え終わるとすぐに部屋に行った。

すると、ソファーでテレビを観ている優風くん。

「優風くん。お風呂、先ありがとう」

私がお礼を言うとすぐにこちらを向いた。

「ん、じゃ俺入ってくる」

そう言って立ち上がり、バスルームに向かう。

そういえば、体調大丈夫かな?

さっきよりは全然平気そうだけど。

優風くんの背中を見ながらそんなことを思う。