キミだけに届けたいもの





「そうだよねぇ?」

「ハイ……」

「うん、じゃあ、先入って」


……


えっ?

それだけ?

あ、そっか!

私、今変な命令されるようなこと何もしてないもんね、?


「わ、わかりました!お先失礼します!」

そう言ってバスルームに向かった。


「良兎ちゃん、もしかして、命令されたから、従ってんの?」


……は?

い?


そうですよ?


「え、うん?」

「ふーん、じゃあ命令全部ちゃんと聞いてくれるってことだよね?」




ソノヨウナ、契約ではありませんでしたっけ?


え、違うの?

違うなら嬉しいですよ?すごく


「……違うのでしょうか?」

「違くないよぉ~?」


猫かぶり原、優風くん!

……ですよね

違うわけないよね


「でしたら、お先に入らせて頂きます……」

ダンッ!!

わぁぁぁ!?

な、何!?


目の前がさっきより暗くなる。

優風くんが目の前で、

壁ドン?


私が進もうとした方向に来て

壁と優風くんに挟まれる、感じ……?


「ど、どうしたのでょうか!?」

「……」

「あ、あの……?」

「……やっぱいいや」

「え??」

「何でもない。先入ってね」


な、

なんだ!?

ほんっとにわかんない!

何故に壁ドン!?


……はぁ、考えたってわかるわけないか。

優風くんが何考えてるのかわかんないなんて、今に始まったことじゃないし。


お先に入らせて頂きますね……