キミだけに届けたいもの






慌てた声が静かな廊下に響いた。



でも、なんか低いような……


あ、もしかして、





「原代さ、くん……!?」




う、うそっ!




……悠香の言う通り、男の子じゃないか!



驚いた声を出したことで2人が、特に原代くんが目を丸くしている。



チラッと悠香の顔を見ると、「ほらね?」と何故か勝ち誇った顔でこちらをみていた。



名前を見ただけで性別の判断などしてはいけないと、思い知らされました……



「あの、呼び出したのに遅れてごめんなさい!」



「あ、いや!全然大丈夫だよ」




見た目すごくかっこいいのに、何この可愛さ……!



「良兎、じゃあ私はこれで」


原代くんを見てそんなことを思っていると、悠香が私に話しかけた。



あ、そうだった。
相手が来たら戻るって約束だもんね。



「う、うん!悠香ありがとう」



お礼を言うと、じゃあね~と言って空き教室前の廊下からクラスに戻って行った。