キミだけに届けたいもの






それがカレーであることに気づき、

心の中で騒ぐ。


カレーはお母さんの手料理でしか食べたことなかったからな~

なんか新鮮。


「良兎先輩、できたー」


すると、キッチンの方から

原代くんの声がした。


「あ、はーい!」


やったぁカレーだカレーだ~!

やけにテンションが高い私を見て

少し引き気味の原代くん。


でも、美味しそうなカレーを目の前にしたら

そんなの気にならな~い!

テーブルに並べられたカレー。

その前の椅子に座り、

「いただきます!」


と、遠慮なくあいさつをする。

スプーンで一口分カレーをとり、口に運ぶ。

「んん~!!!美味しい!!」

お世辞なしに美味しいよ!

「よかった、」

「料理上手なんだね、原代くんのことまた一つ知れた!」

「良兎先輩、はらしろくんって?」


あ、

忘れてた……


「え、えっと、優風、くんだったね……」

「そうだよね~」

私、本気で忘れてた……

原……優風くんの前じゃ、絶対気抜けないね


やっぱり、怖いのもまだない訳ではないから。